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「禁じられた色彩」
坂本龍一/David Sylvian





あなたの手の傷は けっして 治らないだろう
僕は 信じてさえいればいいと思っていた

あなたと一生 距てられた僕がここにいる
キリストの血か それとも僕の心臓の鼓動?

僕の愛は 禁じられた色彩を帯びる
僕の生は もう一度 あなたを信じる

無意味な歳月が瞬時に過ぎ 
無数の人々が喜んで 命をあなたに捧げる
生き残るものは何もないのか?

自分の中にわきおこる感情を 処理する術を覚えようと
自分の中に埋められた土くれに 手をつっこむ

僕の愛は 禁じられた色彩を帯びる
僕の生は もう一度 あなたを信じる

足元の土すら信じきれず
それとも全てのことに 盲目的な信仰を示そうとしながら
何度も同じ地点に立ち戻ってしまう.....

あなたと一生 距てられた僕がここにいる
キリストの血か それとも心の変化?

僕の愛は 禁じられた色彩を帯びる
僕の生は もう一度 あなたを信じる








どうもこんばんわ。
今回は、坂本龍一教授と我が敬愛するアーティスト、David Sylvianの共作、
Forbidden Colours(邦題:禁じられた色彩)についてです。
(David Sylvianについてはこのブログでもご紹介させていただいております、よろしければご参照ください。)






今は早遠くの1983年。
坂本龍一の名を一躍世界的にした名作「戦場のメリークリスマス」
この映画のメインテーマは、とても有名なので皆様も聞いたことがあるのではないでしょうか。

以前、スケートの安藤美紀がトリノ五輪前に、
このメインテーマにのって氷上に舞っているのを観て
「ああ、戦メリだ!」と感涙した隠れファンは多いはず。


そして、坂本龍一が
当時共作・共演にて交流を深めていたDavid Sylvianに作詞を依頼、
彼の詩とメロディーが乗ることで
全く新しい曲となったのが
今回の「Forbidden Colours」です。

いくつかのヴァージョンが存在しますが、
まずは坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」サントラ収録ヴァージョンを。


ここを押して聞いてみてくださいね♪
当時のDavid Sylvianは、本当に美しいルックスであり、
婦女子の方々に大人気であったようですが、
この映像を見ると非常に納得できます。
かつその歌声も素晴らしく、
深い詩の世界を見事に表現しております。
(邦題より察する方もいるかもしれませんが、
この詩は三島由紀夫の「禁色」にインスパイアされ書かれたそうです)



ただ、映画にはこの曲は使われることは無かったのですが…
シングルは確か全英15位のヒットになったはず。








以後、
よりアコースティック色を強めたヴァージョン
がDavidサイドで作られることに…
彼のシングル「Red Guiter」B面、
および後の傑作アルバム「Secrets of the Beehive」(1987)に収録
(「Promise」という曲が収録されているヴァージョンも存在します)
され、Davidファンにはこちらの方が人気が高いようです。





私もこのヴァージョンの方が好きですね。
より原曲からのアレンジが進み、
「Davidらしさ」が出ている気がします。




で、これで世に出ているオフィシャルヴァージョンはこれで終わり…
と思っていたら
他にも
激レアヴァージョン
が存在しました。

アメリカのSONY CLASSICALからリリースされた、
坂本龍一の映画音楽を集めたコンピレーション盤CINEMAGE(本邦未発売,1999年)に収録されたもので、
坂本龍一のライブ音源にDavidが新たにヴォーカルを再録音したものです。


これがまたいいんです!
聞いてみてください!
Davidの歌声もいい感じで枯れており、
こう、「彼が過ごしてきた年月」を感じさせます。
歌い方がとても優しいです…

美しいルックスを武器に
アイドル的な人気を博したロックバンド、
JAPANのリーダーとして世に出て以後、
切磋琢磨を重ね、
「詩人」としての純度を高めて行った彼の軌跡を思うと
とても感慨深く、故に非常に感動的です。









まあ、もう春なのに何故?
と思うのですが、
youtubeで久しぶりに聞き、
非常に感動してしまったのですよ。

ああ、何て美しく切ないのだろう

って。







もしよろしければ、
一度お聞きになってみては。